モダンリビング・コラム
下田結花の
「心地よさのつくり方」

<掲載>モダンリビング
設計/ 森山善之+荻野志保美(建築設計事務所バケラッタ)
撮影/下村康典

リビングルームは「長くいる場所」を大切に

 あなたは、リビングにいる時、どこでいちばん長い時間を過ごしますか? あなたの家族はどうでしょう? ソファの上でしょうか? それとも床にゴロンと横になって? あるいはダイニングテーブルの前でしょうか?
本当に心地よいリビング・ダイニングをつくりたいなら、「長くいる場所」に予算をかけることをお勧めします。リビングだからソファが必ずしも必要、というわけではありません。実は、ソファがあってもあまり座らないという家も多いのです。改めて、自分の暮らしを見つめてみましょう。

 小さな子供のいるご家族は、ダイニングテーブル周りで1日を過ごすことも多いのではないでしょうか。その場合は、食事も仕事も宿題も、何でもできる大きなダイニングテーブルを。ダイニングの椅子を坐り心地のよいものにして、長く座っていても疲れないように。ソファはなしにして、床のスペースでゆっくりくつろげるよう、大きなクッションをいくつか置く。
そんな使い方もあります。また、お父さんの居場所のために、ゆったりとしたパーソナルチェアを1つだけ、というのもいいですね。ソファは、どう過ごすかによって適したサイズや硬さが違います。横になって映画や読書を楽しむのなら、シートハイが低くて奥行きのあるものを。家族でお茶や会話を楽しむのなら、少し固めのものを。そして来客中心なら、奥行きが少なく、シートハイが高めのものを選びましょう。

 また、コンパクトな空間であればあるほど、リビングでの人の居場所は限られてきます。ほとんどがソファの上ということになるかもしれません。その場合は、奥行きがあって、サイズも可能な限り大きなソファを入れてほしいのです。格段にリビングの居心地が良くなります。予算は常に限られているものです。その予算の中で、メリハリをつけて、自分の暮らしに合うインテリアを調える。そのためには、本当に必要なものと、それほど必要ではないものを見極めましょう。それが、心地良いインテリアをつくるためにいちばん大切なことだと思います。

下田結花(モダンリビング・パブリッシャー)