モダンリビング・コラム
下田結花の
「心地よさのつくり方」

撮影/下村康典

第4回 ベッドルームは「寝る+α」のスペースに

 家の中でいちばん長くいるスペース──それは実はベッドルームです。1日6時間から8時間必ずいる空間。寝ているとはいっても、暮らしに与える影響は決して小さくありません。それなのにベッドルームは後回しになっているのではないでしょうか。リビングを調え、ダイニングを調え、キッチンを調え、次が子供部屋。それからやっとベッドルーム。それも、置いてあるのは、ベッドと収納家具くらい。それで終わってしまっていませんか。住まい全体の何分の1かを占めるスペースなのに、寝るためだけではもったいないと思います。

 ホテルの部屋を思い浮かべてみてください。ホテルは、コンパクトでも暮らすための必要なものがぎゅっと詰まった空間です。ベッドが中心ではありますが、小さな机や1人掛けの椅子、サイドテーブルなどが置いてあって、寝る以外の過ごす場所もしつらえられています。写真はイギリスの田舎のホテル。小さな部屋ですが、窓辺のパーソナルチェアとテーブルがとても魅力的。ここで、朝、お茶を飲んだり、夜、寝る前に読書をしたり。実際、私が泊まったときには、そんな時間を楽しみました。

 ベッドルームにカウンターがあれば、そこに椅子を置くとパソコンやちょっとした作業するスペースにもなります。小さな机を入れてももちろんいいですね。リビングにパーソナルチェアがあったら、ベッドルームに移動してみませんか。1人になるスペースはリビングよりもベッドルームの方がぴったりかもしれません。

 家具の役割は「過ごすための居場所をつくること」です。家具がなければ、スペースがあっても過ごす場所にはなりません。
ベッドルームという、今まで寝るためだけだったスペースをもっと活用して、もうひとつのあなたの居場所をつくってみてください。

下田結花(モダンリビング・パブリッシャー)