モダンリビング・コラム
下田結花の
「心地よさのつくり方」

撮影/下村康典

バスルームはリラックススペース

 寒くなってくると、お風呂が恋しくなりますね。温かい湯船につかってほっと一息。1日の疲れを忘れる瞬間です。こういう感覚は、日本人ならではなのかもしれません。デンマークに取材に行った時、バスタブのない住宅がいくつもありました。シャワーブースだけで、特に不自由は感じないそうです。

日本人にとっての理想のお風呂。それは露天風呂に尽きるのではないでしょうか。自然や風、光を感じながら入るお風呂は、本当に至福のひとときです。自宅でそれができたら、こんな素晴らしいことはありません。もし新築やリノベーションの予定があるなら、お風呂のことを改めて考えてみませんか。お風呂には大きく分けて、ユニットバスと造作バスがあります。ユニットバスは機能性、価格、水漏れの心配がないなどのメリットがありますが、プランや素材の自由がきかないというデメリットも。シャワーブースや置きバスにしたい、ホテル仕様のガラスに、などの希望があるなら造作バスに。ただ、最近ではユニットバスも、テラスに出る引き戸をつけられるハーフユニットや、気泡、風、光を調整できる高機能のものもあります。

お風呂を体を洗うための場所、としてではなく、リラックスするためのスペース=「部屋」と考えてみましょう。小さなスペースでもグリーンを置いたり、時にはハーブバスやキャンドルを灯してのバスタイム。ちょっとしたことで、お風呂の時間はいっそう豊かになります。そして、もし可能ならば、椅子一脚のスペースでもいいので、お風呂から出られるテラスをつくりましょう。テラスにグリーンを置き、ドアを開ければ光と風が入り、小さな露天風呂に。バスルームというリラックススペースを大切にしたいですね。

下田結花(モダンリビング・パブリッシャー)