第7回

解体費用や設計費用が助成される!
世田谷区の不燃化助成制度について

世田谷区には、東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」に基づく、不燃化助成制度があります。支援制度のなかには、建物を取り壊す費用や、新築の設計費用を助成するものもありますので、対象地域で建替えを検討されている方は、ぜひ、ご確認ください。

ここがポイント
  • 不燃化助成制度は、
    東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」に基づいています。
  • 世田谷区の不燃化助成制度には、主に3つの支援制度があります。
  • 固定資産税都市計画税は、その8割または全額が最長5年間減免されます。
  • 解体除却費用の助成金設計・監理費の助成金が、
    2016年10月から増額されました。

1.世田谷区の不燃化助成制度の趣旨と対象エリア

世田谷区の不燃化助成制度は、東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」に基づいて策定されました。東京には木造住宅密集地域が広範囲に分布しています。この地域は、道路や公園など都市基盤が不十分なことに加え、老朽化した木造建築物が多い地域です。そのため危険度が高く、首都直下地震による被害想定においても、大きな被害が想定されています。同時に、高齢化による建替え意欲の低下や、敷地が狭小であるなどの理由から、改善が進み難い状況にあると考えられています。そこで、特に改善を必要とする地区について、都と区が連携して、整備促進策を重点的に集中して講じる目的で策定されました。世田谷区では、太子堂・三宿地区、区役所周辺地区、北沢三・四丁目地区、太子堂・若林地区、北沢五丁目・大原一丁目地区の5地区が対象です。

2.不燃化助成制度の概要と助成金

不燃化助成制度は、①固定資産税と都市計画税の減免を受けられる、②老朽建築物の戸建て建替えに伴う費用を助成する、③老朽建築物の解体除却費用を助成する、の3つが主な支援制度(※1)です。固定資産税などの減免は、老朽建築物を取り壊して更地にした場合で8割が、不燃化のための建替えを行った場合で全額が、それぞれ最長5年間も減免されます。また、2016年10月15日から、老朽建築物の除却工事費の助成限度額が24,000円/㎡から25,000円/㎡に、建替えの建築設計・監理費の助成額も約2倍に増えました。つまり、対象地区内(※2)で、木造や軽量鉄骨造の老朽建築物を解体し、耐火や準耐火の戸建住宅に建替える個人や法人は、固定資産税などの減免、取り壊し工事費の助成、新築の設計監理費の助成をすべて受けることができるのです。

老朽建築物の戸建建替えに伴う助成制度に対する適用項目(※3)t
  • ※1:建替え、除却などに関する制度内容については、世田谷区が提携する専門家への無料相談もできます。
  • ※2:太子堂・三宿地区、区役所周辺地区、北沢三・四丁目地区、太子堂・若林地区、北沢五丁目・大原一丁目地区の5地区の他、区役所周辺地域では、戸建建替えに伴う助成制度の対象範囲が限定されています。
  • ※3:制度の助成を受ける場合は、必ず世田谷区役所へ確認してください。

3.不燃化助成制度の助成金と申請方法の注意点

例えば、取り壊す建物の大きさが112.8㎡の場合、112.8㎡×@25,000円=2,820,000円の助成金が受けられる可能性(※4)があります。また建替え後の建築物について、同じく112.8㎡の耐火建築物を計画した場合、その設計監理費として1,518,000円の助成金が受けられる可能性(※5)があるのです。尚、助成の適用には申請方法に注意する必要があります。申請では、固定資産税などの減免については、建物を取り壊す前に老朽建築物の認定申請が必要です。そして解体後に、適正管理確認申請を行ってから都税事務所へ減免申請します。建替え助成については、工事着手の15日前までに認定申請を行います。その後、工事着手・完了の報告をしてから交付申請を行い、その決定後に交付請求ができます。手間もかかりますが、助成金も大きな額ですので、上手に活用したい制度です。

参考:助成金のシュミレーション

筆者:安食 正秀 (相続アドバイザー協議会R認定会員 上級アドバイザー)

1963年東京生まれ、立教大学経済学部卒。
2006年7月、株式会社アセット・アドバイザーを設立。財産を次世代に承継することを最優先に、顧客の不動産の全体像を把握し、様々な視点から不動産の相続対策の立案、問題解決および実務支援を行う。夕刊フジで「激変!相続税に備える」を連載。
2016年1月千葉テレビに出演。首都圏を中心にセミナーや執筆など人気講師として活躍中。

©2017 Next Eyes.co.Ltd
本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
本記事に掲載しているテキスト及び画像の無断転載を禁じます。