素敵な暮らしを叶える人の『とっておきのルール』②
まるで別荘に住むような、心休まる暮らし

前回、自分の物の適正量を知り、動線上に必要な収納を設けることが、理想の暮らしに近づくための第一歩だと伝えてくれた整理収納アドバイザーの西口理恵子さん。それでは、実際に西口さんはお住まいでどのような工夫をされているのか、お話をうかがっていきましょう。

理想の暮らしを考えたとき、西口さんの頭に浮かんだのは「別荘」でした。「別荘に住むような暮らし」を求めて、新居のインテリアもイメージしていきました。

*前回記事はこちらからご覧いただけます。

INDEX

【1】 新居で叶えたのは“別荘に住むような暮らし”

前回でもご紹介したように、西口さんのお住まいは豊かな自然に囲まれた場所にあります。そんな周囲の自然とリンクするかのように、家族が長く過ごすリビングやダイニングは石や木を多用した居心地のよい空間が広がっています。実は、西口さんがこの家での理想の暮らしをイメージしたとき、真っ先に浮かんだのは「別荘」でした。

「この豊かな自然の中で心が休まる家を作りたいと思ったとき、真っ先に浮かんだのは”別荘に住むような暮らし“でした。私の中で”別荘“のイメージが、のんびりとコーヒーを飲んだり、本を読んだり、家族とゆったりとした時間を過ごす場所だったのです。そこで新居のテーマを【ネイチャー】とし、仕様で悩んだら自然素材を優先するというルールを作りました」

昨年、リビングのソファは大人数でも余裕で座れる「カッシーナ」の「503 SOFT PROPS」に買い替えました。さらに、今年の春にはダイニングテーブルもル・コルビュジェの名作「LC6」にチェンジ。これまでは幼い子どもたちによる汚れや傷を気にして、なかなか高価な家具は置けなかったそうですが、子どもたちが成長した今、ようやくインテリアを楽しむ余裕も出てきたそうです。

「当初から家具の買い替えは視野にいれていました。我が家には子どもたちが“落書きをしていい場所”を作っているので、もともといたずらすることが少ないのですが、それでもこうしていい家具を使えるようになったことは嬉しいですね」

【2】物の適正量を把握して余分な収納を作らない

上質な住まい―――。西口さんの住まいはまさにその一言に尽きるのですが、お気に入りの場所をうかがうと意外な答えが返ってきました。

「私のもっとも気に入っている場所は寝室のクローゼットです」

西口さんの洋服やバッグ、アクセサリーなどが納められた寝室のクローゼット。細部に至るまでしっかりと計算された内部はまるでオーダーメードのようですが、実はイケアのワードローブシステムをカスタマイズしたものだそう。その美しい収納術は扉を開けたときの喜びとなります。

すっきりと美しく整理収納されたクローゼット。まるでオーダーメードであつらえたかのようですが、これらはイケアのワードローブシステム「PAX」をカスタマイズしたものだというから驚きます。このように手ごろな既製品を上手に活用するのも、西口さんが得意とするところです。

また、このクローゼットには西口さんの整理収納術を学ぶ大きなポイントが。洋服はジャケットやトップス、ワンピースなどカテゴリーで分類されていますが、それらをさらに配色順に並べることによって、どこに何があるのかが一目瞭然で分かるようになっています。時計やネックレス、ピアスなどのアクセサリー類も適正量を守り、あらかじめ決められた収納場所へ。この「物の定位置化」も適正量と合わせて重要だと西口さんは教えてくれました。

「最初から物の収納場所を決めておくことで探す手間が省けます。これはコンビニエンスストアの店舗運営から学んだのですが、コンビニエンスストアでは商品を細分化してラベリングすることで定位置管理をしています。だから、私たちは膨大な商品があっても目当ての物をすんなり探せるのです。それと同じことを家の中でもすればいいのです。住む人の動線を考えて定位置管理をする。そうすればソファの上に服が散らかったり、子どものカバンが玄関に置きっぱなしになることはありません」

何を着ようかとクローゼットを探す時間をゼロにできることが、整理収納のメリットだと話す西口さん。

「皆さん、収納を量だけで解決しようとしますが、実は時間も大きく関係していることをあまりご存じではないかもしれません。一般的に物を探す時間は1日12分といわれていて、年間にすると73時間になります。そのために自分の時間が削られてしまうと考えるともったいないですよね。私は家族とできる限り長く過ごしたいので、きちんと整理収納してそのムダな時間を排除しています」

【3】不便、不満、不快に気づいたら、整理収納の見直しのタイミング

確かに家事や育児、さらには仕事を持つ女性たちにとって時短は大きなテーマです。そこで家事効率を上げるためのポイントをうかがうと、西口さんは「3つの“不”を解消すること」だと教えてくれました。

「それは不満、不快、不便です。私はこの3つの“不”を感じたら、すぐに収納を見直します」

しかし、多くの方は日常となってしまっている3つの“不”に気づかず、当たり前のこととして見過ごしてしまいがち。この3つの“不”に気づくためにはどうしたらいいのでしょう。

「それは、毎日行っている行動のアクション数を数えてみることですね。たとえば、『コーヒーを淹れる』。我が家の場合、毎日、コーヒーを飲むのですが、そのためのアクションは2つです。1つ目はカップを出す、2つ目はコーヒーカプセルを投入する。このアクションが3つ以上あることで、人は不便だと感じ、不満、不快につながります。たった1回の違いでも、日々繰り返されるとかなりの回数になるので、ご自分の動作動線を見直すことはとても大事なことです」

細々とした物を納める冷蔵庫の中も定位置管理を実施しています。物の位置を記すラベリングは、子どもたちにもわかりやすく、お手伝いにも一役買っているそう。

また、西口さんはキッチンの収納計画についてもアドバイスを送ってくれました。というのも、ここ最近は防災意識の高まりもあって食料品をストックしている方は増えているそうですが、これも家族構成や家での食事回数などを把握せずに作ってしまうとそのスペースを有効に活かせないばかりか、食料品を無駄にすることにもなりかねないそう。パントリーなどを設ける場合は、事前に物の適正量を把握し、それに見合った収納計画を行うことが大切だと話してくれました。

【4】すき間時間を有効活用して自分にあった収納術を見つける

プライベート空間である寝室は、リビングダイニングとは異なり、白を基調にイギリスの輸入壁紙が華やかさをプラスしたエレガントな空間です。

きちんと整理収納されていれば、収納扉を開けたときに選ぶ楽しさも広がっていくと話す西口さん。家が狭い、古いと諦めてしまう前に、1日30分だけ、すき間時間を使って整理収納にチャレンジしてみてほしいといいます。

「今、世の中には多くの片付け方法がありますが、そのなかでどれが自分に適しているかが分からない方も多いと思います。その場合は整理収納アドバイザー認定講座の基本内容である『整理』『収納』『片付け』の違いを学び、まずは『整理』から始めてみるといいかもしれません。『整理』とは、種類別や使う頻度などで分けて、不必要なものを取り除くことであり、『収納』とは、整理の後に行うことで、使いやすく納めることです。そして、『片付け』は収納の後に行うことで、元の位置に戻すこと。つまり1日30分を『整理』と『収納』に充て、その後にリセットする時間を設けることが理想です。14万人の方が実践してきた整理収納アドバイザー認定講座の内容は、どなたにも合うように作られていますので、納得しながら収納に取り組めると思います」

駒沢公園ハウジングギャラリーには、素敵な収納を実現したお住まいがたくさんあります。理想の暮らしの参考に、まずはモデルハウスの写真を見てイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。

駒沢公園ハウジングギャラリーのモデルハウスはこちらからご覧いただけます。

気になるモデルハウスをチェック

気になるモデルハウスがございましたら、ぜひご来場いただき素晴らしいしつらえの実物をご覧ください。

●取材協力:西口 理恵子さん
(整理収納アドバイザー1級 / インテリアコーディネーター / 宅地建物取引士 /ファイリング・デザイナー検定1級 / 企業内整理収納マネージャー認定講師)

前職は新築マンション営業・企画。新築マンションの少なく使いにくい収納に疑問を持ち、「女性の視点に立った収納しやすい住まいを」と、リビングイン収納、フル可動式クローゼット等多数企画し、多数の物件で採用される。2009年「インテリアR」を立ちあげる。セミナー・講演の受講者はのべ20,000名超(2020年12月末時点)。整理収納・インテリア・美を総合した【美人収納®】を全国にて直接指導している。Blog・Instagram・Twitter等のSNS総フォロワー数1.5万人超。著書に「ずっと美しく暮らす シンプル収納の家づくり」、「捨てなくてもすっきり暮らせる50の智恵」、「毎日がうまく回り出す1日1収納の法則」、「仕分け収納術」、監修本に「収納のルール&アイディア集」。

●監修・執筆:石倉 夏枝(編集・ライター)

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