第18回
環境と家計に優しいのがメリット!
ZEHを建てる場合の補助金
2018年の最新情報
「ZEH」(ゼッチ)という言葉を住宅展示場等でよく見かけます。ZEHとは使用するエネルギー量を実質0以下にすることを目指した住宅のことで、ZEHを建てる人には補助金が用意されています。今回はZEHの特徴、ZEHに関する補助金の最新情報をまとめます。
- ZEHは住宅で使うエネルギー量を実質0以下にする家。
- ZEHを建てる場合、70万円の補助金が使え、今年からZEH+(ゼッチプラス)補助金もスタート。
- エネファーム等、省エネ設備の導入にも補助金が用意されている。
1.ZEHのメリット
ZEH(Net Zero Energy Houseの略でゼッチと読みます)は、家での消費エネルギー量を実質的にゼロ以下にすることを目指した住宅です。
ZEHではまず、窓や壁等の断熱性能を高め、給湯、空調、照明、換気等の各設備を高効率なものにすることで省エネを行います。その上で太陽光発電やエネファーム(※)等を導入することで、エネルギーを作ります。さらにはHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)でエネルギー使用量の管理と節約をする、そんな住宅がZEHのイメージです。これらの方法で自宅でのエネルギー消費量を差引きゼロ以下にすることを目指します。
※エネファーム:家庭用燃料電池のことで、ガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を作りだす設備。電気を作る際の熱で給湯等も合わせて行う。
ZEHのメリットは以下のようにまとめられます。
ZEHを建てる場合、一般の住宅より建築工事の価格は高くなってしまいますが、①の「光熱費の削減」を考えると長い目で見れば家計にプラスになる可能性が高いです。また②の「高断熱化」は、冬暖かく、夏涼しい快適な住まいを、エアコンをできるだけ使わずに実現することですが、家の中の温度差を少なくすることにもつながります。そのためヒートショックの防止(※)にもつながる等健康にも良い住まいとされています。
※ヒートショック:暖かい部屋から寒い浴室等に移動した際、急激な温度変化で血圧が急変して、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こしたりすること。特に気温の低い冬に起きやすい。
2.ZEHに関する補助金
政府目標では「2020年度までに新築注文戸建て住宅の過半数をZEHにする」としており、その目標達成のために補助金が用意されています。ZEHを建てて建築価格が高くなってしまう分はこの補助金で一部カバーできます。
2018年度のZEH支援事業補助金は70万円となっています(蓄電システムの導入を行う場合には最大で30万円の加算あり)。
なおこの補助金の公募期間は2018年10月5日までとなっています(2018年7月現在)。
さらに今年から、より高度な省エネ等を行うZEHに使える、「ZEH+(ゼッチプラス)」実証事業の補助金が創出されました。2018年度のZEH+実証事業補助金は115万円となっています(蓄電システムの導入を行う場合には最大で45万円の加算あり)。
こちらも公募期間は2018年10月5日までとなっています(2018年7月現在)。
これらの補助金を利用するには、ZEHビルダー・ZEHプランナーとして登録されている施工会社等で設計・建築等をする必要がある等、いくつか要件が定められています。興味ある方は住宅展示場で確認してみましょう。
3.ZEHに関連する補助金
最後に、ZEHに関連して省エネ設備を設置する場合の補助金を紹介します。ZEHの条件を満たしていない住宅を建てる場合でも、エネファームを設置する場合には次の補助金が利用できます。
※LPガス使用の場合等には追加の補助もあります。
※「家庭用燃料電池」とは「エネファーム」のことです。
「家庭用燃料電池システム導入支援事業」の補助金は2018年度では最大12万円となっています。今年度の募集期間は2019年2月22日までとなっています。
また東京都には「家庭におけるエネルギー利用の高度化促進事業」の補助金があります。やはり、ZEHの条件を満たしていなくても蓄電池システムやエネファーム等を設置する場合には補助金が利用できます。
公募期間は2020年3月31日までとなっています。
以上見てきたようにZEHを建てる場合や省エネ関連設備の導入する場合には様々な補助金が用意されています。補助金の利用には細かい条件が付されています。補助金についての詳細やZEHの最新情報は住宅展示場で確認してみましょう。
監修・情報提供:井上光章 (ファイナンシャルプランナーCFP®)
株式会社FPアルトゥル代表取締役。
独立系FPとして、住宅購入時の資金計画や住宅ローンのコンサルティング、相続、資産運用のコンサルティングを主な業務として行う。豊富な相談実績を基にした、マイホーム購入時の資金計画や住宅ローンで失敗しない秘訣をお伝えします。
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