第19回

消費税増税前の住まいづくり
チェックポイント

2019年10月に予定されている消費税の10%への増税。注文住宅を建てる場合、契約を2019年3月末までに結んでおけば、引渡しが10月を過ぎても消費税率は8%になるというルールがあります。過度の駆込みやその後の反動減を緩和させる為に「すまい給付金」や「住宅取得等資金の贈与税非課税制度」の拡充策が実施される予定です。いずれにしても増税直前に慌てて動き始めると思わぬ問題が発生する可能性もあります。自分たちに合った選択をする為にも早めの行動をお勧めします。

ここがポイント
  • 消費税増税の直前に動き始めると予想外の問題が発生する危険性がある。
  • すまい給付金等、増税後に有利になる制度もあるので、自分たちの状況を確認する必要がある。
  • 住宅ローン減税等は増税前後で変化なく、今のうちに購入した方が得になる可能性が高い。

1.消費税増税前に心得ておくこと

2019年10月に予定されている消費税増税。注文住宅の場合「引渡し」が2019年10月1日以降だと消費税率は10%で、9月30日までであれば8%になる、というのが原則です。しかし、それだと9月末に向けて工事が殺到し、納期や品質面でトラブルが発生してしまう恐れがあるため、特別に契約(工事請負契約)を2019年3月末までに結んでおけば、引渡しが10月を過ぎても消費税は8%になるというルールがあります。

工事請負契約を2019年3月31日までに結んでおけば、引渡しが2019年10月以降でも消費税は8%に!

できることならば契約を2019年3月末までに結んでおくことが望ましいと言えます。注文住宅を検討し始めてから契約を結ぶまで一般的には4、5カ月はかかることを考えると時間があまりありません(土地探しから始める場合はさらに時間がかかる場合があります)。
増税前ギリギリに動き始めると、間取りやデザイン等の検討に十分な時間が確保できない等、予想していなかった問題が起こる危険性もあります。注文住宅の購入を検討している方は早めの行動が必要です。

増税直前に動き始めた場合に起こりうる問題

2.増税後有利になる制度

住宅購入をする人には経済的負担を和らげるため、税制優遇や補助金等お得になる制度がいくつか用意されています。これらの中には消費税増税後に有利になるものもあります。例えばすまい給付金は以下のように消費税増税後に拡充される予定です。

※政令指定都市の場合や、神奈川県の場合は所得割額が他の都道府県と異なります(年収の目安は同じです)。

すまい給付金は拡充されますが、増税後に得する金額と消費税増税負担とを比較すると次のように増税負担の方が大きくなるケースが多いと予想されます。

年収700万円、建物工事等5,000万円の場合 トータルでは90万円負担増

※都道府県民税の所得割額は15万円と仮定します。

住宅取得等資金の贈与税非課税制度は、親や祖父母等から住宅購入等の資金贈与を受けた場合に一定金額まで非課税になる制度ですが、こちらも消費税増税後に有利になります。次のように非課税になる最大金額が大きくなる予定です。

※贈与税には元々110万円の非課税枠があるため、上記数値に110万円を足した金額まで、贈与税は非課税になります。
※2020年4月以降も2021年の12月末まで本制度は続く予定ですが、最大非課税額は上記より小さくなります。

しかし贈与する金額が1,310万円までであれば増税前でも贈与税がかからないのは同じです。1,310万円を超える額の贈与を計画している人以外は、消費税増税前に購入した方が結局お得になると言えるでしょう。

3.増税後に変わらない制度

上で挙げた2つ以外の住宅購入者にお得な制度については消費税増税前後で変化はない予定です。例えば住宅ローン減税は、購入時から10年間、毎年の年末の住宅ローン残高の1%相当分を所得税から減税できる制度(減税しきれない分は一部翌年の住民税からも減税可能)ですが、その最大減税額は増税前と後とで同じです。消費税が5%から8%に増税された時は10年で最大200万円、最大減税額が増えました。そのため消費税が8%になるまで待った方が得になるというケースもありましたが、今回の10%への増税時には最大減税額が増える予定は今のところありません。

【 住宅ローン減税 最大減税額の推移 】

※数値は長期優良住宅等の場合。一般の住宅の場合は( )内。

今まで解説してきた制度以外では、例えばフラット35Sの金利引下げや投資型減税等についても増税後に有利になるという情報は現在のところありません。

【 住宅購入者にお得なその他の制度 】

住宅購入者が使える各制度と消費税の関係だけで見れば、消費税が8%の今のうちに住宅を購入した方がお得である可能性が高いと言えるでしょう。注文住宅を建てることを検討している方は消費税増税スケジュールに注意し、住宅展示場のハウスメーカー等から情報収集を行い、しっかりと計画を立てることをお勧めします。

監修・情報提供:井上光章 (ファイナンシャルプランナーCFP®
株式会社FPアルトゥル代表取締役。
独立系FPとして、住宅購入時の資金計画や住宅ローンのコンサルティング、相続、資産運用のコンサルティングを主な業務として行う。豊富な相談実績を基にした、マイホーム購入時の資金計画や住宅ローンで失敗しない秘訣をお伝えします。

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