第26回

差別化で満室経営!賃貸併用住宅の秘訣

今回のコラムは安定的なアパート経営ができる賃貸併用住宅の秘訣についてお伝えします。巷では空き家問題も深刻化する中、東京都内ではまだまだアパート建築は盛んです。(前年同月比3.1%増:東京都発表※)全国的には少子高齢化の問題はありますが、東京都に限っては今後も今まで通り居住者は維持されるとの予測があります。しかし将来的にも安定したアパート経営をするためには、どのような計画にしたら人気物件として満室を維持できるのでしょうか。また近所の他のアパートとは、どうやったら差別化できるのでしょうか? 自宅を併用した場合の快適な住まいの計画の秘訣についても、建築士の視点からお伝えしたいと思います。

住宅着工統計(東京都)

ここがポイント
  • 自宅と賃貸部分のゾーニングで住み心地が大きく変わる
  • 空室リスクの少ない魅力的なアパートは、入居者ニーズの把握と他の物件との差別化
  • 賃貸併用住宅は、遺産相続の争いを起こりにくくする

1.賃貸併用住宅成功の秘訣とは

 賃貸「専用」住宅ではなく、自宅の一部を賃貸として貸す建物になるので、それぞれのエリア分けが重要になります。どのように分けるかについては主に以下のどちらかになります。自宅部分を日当たりの期待できる建物の最上階にする。もう一方は外出しやすく、庭も使える1階にする。ちなみに、その他の案として縦割りに分離する方法もあります。これらの分け方によってそれぞれメリットやデメリットがあります。

<自宅部分を建物内のどこにレイアウトすべきか>

※重層長屋という建築方法:例えば3階建てで自宅部分を3階部分にして賃貸部分とは完全に分離します。そして1階の玄関から直接3階にアクセスする。1,2階は賃貸部分にするという方法にすると、本来必要な耐火建築物にする必要がなくなり、建築コストを抑える建築方法もあります。

 賃貸部分の顧客ターゲットを明確にすることも間取りを考える上で重要です。単身者層なのかファミリー層なのかによって、計画できる住戸の数も変わります。これは建築する場所、立地によってある程度ニーズが決まってきます。例えばその建設地が駅に近くて便利なところなのか、もしくは子育てに安心な閑静な住宅街なのかで、入居される方のターゲット像が決まってくるかと思います。

2.リスクを回避するためのポイント

 賃貸併用住宅の一番のリスクは空室リスクかと思います。新築であれば入居者募集も比較的困りませんが、そのあとの入れ替え時に苦慮されているオーナーさんが多いのも事実です。そのためには周囲のアパートとは差別化をはかることが大切です。アパートを探されている方の大半はスマホ等で検索し、部屋を探します。希望の場所、家賃、間取り等に合致した物件の画像をもとに判断されていることが一般的のようです。そこで建築する際には、そのような入居者のニーズをくみ取って、近所のアパートにはない特徴を打ち出すことが差別化につながり、安定した入居率を維持することが可能になります。ほんの一例ですが、工夫する点や配慮すべき点をあげてみましたので参考にしてみてください。

 また建築する土地のご近所さんへの配慮も必要です。いままで一戸建てだったところにアパートが建築されることは、ご近所さんにとってのリスクにつながります。配慮するポイントとしては、清掃などの日常のメンテンスと、ごみ置き場や駐輪場の位置などについては、ご近所さんにも配慮したうえで決めたほうが無難です。 またプライバシーを守ることも重要で、外階段や外廊下、バルコニーからの視線についても必要であれば目隠しをつけることで後々のトラブルを防止することができます。

3.相続税対策にも役立つ賃貸併用住宅

 平成27年から相続税の基礎控除が減額になり、実質増税になったこともあり、将来の相続対策を準備される方が多くなりました。その一つの方法としてアパート建築も有効な方法となります。相続時の課税対象額を計算する際に住宅でも自宅とアパートではその計算方法が変わります。アパートは「貸家建付地」といって、自宅が建っている「地用地」よりも評価額が下がるため、相続税が安くなります。そのため、相続税対策として賃貸併用住宅を建築されるケースが増えています。
 またご子息が自宅を建築する場合に贈与税のかからない範囲で資金提供することも相続税対策の一例です。住宅資金贈与については最大3,000万円まで非課税になる「住宅取得等資金贈与の非課税の特例」という制度もあります。しかし一定条件があり2020年3月末までに請負契約をしていることが条件ですので、早めに動かれたほうが得策です。
 なお最大3,000万円の非課税枠は、一定の耐震性能、省エネ性能またはバリアフリー性能を満たす「質の高い住宅」の場合で、それ以外の住宅では、最大2,500万円までが非課税となります。

 その他「配偶者居住権」という制度も2020年4月より施行されます。これが施行されることで、相続時における遺産相続の争い防止に期待がされているようです。その理由としては、「相続が発生する前から住んでいた配偶者の自宅は、配偶者がその自宅の権利を相続しなかったとしても、ずっと住んでていいですよ」という権利だからです。そのため万が一相続人同士が揉めてしまったとしても、被相続人の配偶者はそのまま家に住み続けることができるようになります。また、二次相続時にその「配偶者居住権」は消滅するため相続税対策になる可能性があります。詳しくは個別の状況によって要件が変わりますので、専門家に確認することをお勧めします。

 このように賃貸併用住宅は建て方を工夫すればメリットの多い建築方法です。立地条件や土地の形状によって様々な建築計画が考えられます。空室リスクを減らし、安定的な家賃収入を得て、なおかつ相続対策にも有効な賃貸併用住宅。あなたの土地にはどのような建物が建てられるか、いちど駒沢公園ハウジングギャラリーのハウスメーカーにご相談してみると良いでしょう あなたの希望に沿った建築方法が見つかるかと思いますよ。

監修・情報提供:金内 浩之(一級建築士)

株式会社Lakke(ラッケ)一級建築士事務所代表。大学卒業後、大手ハウスメーカ―の設計担当として16年、約400棟の設計を経験。

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