第1回
消費税増税が
大きく影響する住宅購入
2017年4月に予定されている消費税増税。住宅購入のような大きな買い物では消費税の負担も大きくなります。2017年4月というとまだだいぶ先のように思う人もいるかもしれません。しかし、消費税率8%のうちに住宅を建てたいという人にとっては、実はあまり時間がないのです。
- 2017年4月1日以降の「引渡し」は消費税率10%に
- 注文住宅の消費税増税には経過措置がある?!【2016年9月末】がポイント!
- 家づくりに必要な時間とスケジュールを把握することが大事
- 消費税率8%のうちに建てるには、早め早めの行動を!
1.住宅購入、いつから消費税は10%になる?
2017年4月に予定されている消費税増税。住宅を建てる場合、工事の契約から完成、入居に至るまで長期間に渡りますが、では、どの時点で消費税率8%と10%とが分かれるのでしょうか?
それは「引渡し」がいつになるか、で決まります。引渡しが4月1日以降なら消費税は10%になり、3月31日までであれば8%になります。引渡しというのは、建物が完成し、住宅ローンの融資が実行され、鍵がもらえる(所有権が移転される)ことを言います。
2.増税前の経過措置
2017年4月以降に引渡しを受けると消費税率は10%になるというのが原則です。「できれば8%のうちに建てたい」と考える人は多いはずなので、増税直前は駆け込み需要の発生する可能性があります。そうなると人手不足等から建物の完成時期が予定より遅れてしまい、引渡しが4月1日以降になって不本意に消費税率10%が適用されてしまうといったトラブルも起こりえます。そうならないように住宅購入に関する消費税増税には経過措置が設けられています。それは引渡しが2017年4月以降でも、建築請負契約を2016年9月末までに結んでおけば消費税率は8%が適用されるというものです。これで工事時期が集中されるのを防ぎ、トラブル発生の確率を抑える意図があります。
住宅購入者の側から見れば、消費税8%のうちに住宅を建てたいならば2016年9月末までに契約を結んでおくのが確実な方法と言えます。消費税率10%はまだまだ先の話と思っている人もいるかもしれませんが、「残された時間は実はあとわずかしかない」ということになります。
3. 消費税増税前に建てるためのスケジュール
住宅を建てるまでのスケジュールは一般的に以下のようになります。
希望を整理し、資金計画を立て様々な情報収集をして、依頼するハウスメーカーを決めるまでが4~6ヶ月はかかります。土地を購入する場合は、希望の土地が見つかるまでさらに時間がかかる場合もあります。依頼するハウスメーカーを決め、プランを詰めて契約(建築請負契約)し、着工(工事の開始)に至るまでは2~4ヶ月程度は見ておきたいところ。工事が始まれば4~5ヶ月程度で引渡しとなります。
家づくりのスケジュールをこうやってみると、意外と時間がかかるな、と思われた方も多いのでは。消費税率8%のうちにマイホームを建てるなら、早め早めの行動が必要になります。
監修・情報提供:井上光章 (ファイナンシャルプランナーCFP®)
株式会社FPアルトゥル代表取締役。
独立系FPとして、住宅購入時の資金計画や住宅ローンのコンサルティング、相続、資産運用のコンサルティングを主な業務として行う。豊富な相談実績を基にした、マイホーム購入時の資金計画や住宅ローンで失敗しない秘訣をお伝えします。
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