ワンランクアップの『暮らしを楽しむ』2つのマイルール

山川直子さんのマイルール
「好きを追求」「花やグリーンを絶やさない」

第1回では、元VMD*1の山川直子さんのものづくりに込めた想いや、VMDでの経験が住まいにどのように活かされているのかをお聞きしました。今回は山川さんが住まいで大事にしている2つのルールを中心に伺っていきます。

*ヴィジュアルマーチャンダイジング(視覚的商品化計画)のこと。お客様の購買意欲を喚起するため、商品を見やすく、選びやすく、手に取りやすい方法で売り場環境を整えていく。

写真提供:山川直子さん
INDEX

【1】 “好き”を追求し、“花やグリーン”で癒しの空間に

写真提供:山川直子さん

山川さんの住まいのマイルールの1つは「好きにこだわる」ことです。SNSで紹介されている室内の写真を見ると、家具や照明はもちろん、ディスプレイの一つひとつにセンスが感じられます。その中でも、ひと際目を引くのが色とりどりのテキスタイル。アフリカの伝統的なテキスタイル「カンガ」を始め、インドの「ブロックプリント」やトルコの絨毯、ギャベ、キリムといった色も柄も異なるアイテムがミスマッチすることなく、バランスよくコーディネートされています。昨年、そこにジョージアのライオン柄のラグも加わり、さらにカラフルさが増しました。

「テキスタイルは国やお店にこだわらず、私の好きな物を直感的に集めているだけなんです。コーディネートのコツは、素材や色、柄などのバランスも大事ですが、基本は自分の“好き”を追求することが大事だと思っています。自分の好きな物を合わせていったら、自然と魅力的なコーディネートになりますよ」

そして、もう1つのルールは「花や緑を絶やさない」ことだと話す山川さん。6年前に猫のみいちゃんが家族になってから、飾る花にも気を使うようになったといいますが、結婚してからテーブルの上に飾る生花は欠かさないように心掛けているとか。季節感のある花々は、色鮮やかなテーブルクロスとの相性も抜群で、山川さんがテキスタイルと花のコラボレーションを楽しんでいることも伝わってきます。

「部屋の中に花やグリーンがあるだけで心地よさが増しますよね。私にとって家は癒しの空間であってほしいと思っているので、花やグリーンはなるべく絶やさないようにしています。この春は桜の木を飾ったのですが、花びらが散った後に新芽が出てきたので、しばらく枝と葉の組み合わせを楽しみました」

【2】自分を知ること。それが心地よく暮らすための第一歩

写真提供:山川直子さん

山川さんはものづくりと並行して、「お部屋のコーディネート」の提案もしています。お客様から寄せられる悩みの多くは、家具の配置だったり、ファブリックや壁紙の色や柄に関することなのだそう。山川さんは現状の家具のレイアウトを確認しながら、広く見えるコツをアドバイスしたり、住む人がもっとも心地いいと思えるファブリックや壁紙を提案しています。

「ファブリックや壁紙を提案するときは、まず自分はどんな色が好きなのか、どんな色が心地いいと思うのかを考えてもらうところからスタートしています。それは『自分を知る』ということでもあると思うんです。私が大事にしているのは、住む人にとってお気に入りの空間になってほしいということ。だから、私はお客様の”好き”をじっくり追求していきます」

ときには既存の家具に合わせたり、お客様が思い浮かばないような色や柄、素材を提案することもあるといいますが、あくまでもお客様の“好き”という気持ちを第一に考え、お気に入りの空間づくりをサポートしています。

【3】憧れは豊かな自然の中に木製デッキのある空間

VMDの仕事を卒業した今、生活リズムも大きく変わりました。以前は時間に追われ、朝も慌ただしかったそうですが、今は豆を挽いてコーヒーを淹れるほど余裕が生まれたといいます。

「変わらないのは物が好きだということ。だから、どうしても物が増えてしまいがちなのですが、仕事部屋以外は持ち出さないように気を付けているんです。でも、ときどき主人がリビングなどにあった物をごそっと仕事部屋に戻しにくることがあって(笑)。それが『あ、そろそろ片付けなきゃ』って掃除のサインになるんです(笑)」

ご自身の”好き”を追求した今の住まいに大満足している山川さんですが、もし叶うならと一つの夢を話してくれました。

「自然豊かな場所に木製デッキだけを置いた空間が欲しい。デッキの上でご飯を食べたり、テントを持ち込んで泊まったり。そういう場所を作ることが今の夢ですね」

山川さんの住まいへのこだわりは”好き“への追求でした。それはこれから家を建てようと思っている方にとっても大事なポイントだといいます。
「自分にとって好きなこと、重要なこと、大切なことは、間取りも含めていろいろなところに影響が出てきます。たとえば、心地いいと思える時間が、朝なのか、夜なのかでも部屋づくりは大きく変わってくると思います。自分の好きを深掘りしていくと、もっとも適した生活パターンも見えてきます。だから、皆さんにはぜひご自身の”好き”を掘り下げてみてほしいです」

駒沢公園ハウジングギャラリーのモデルハウスはこちらからご覧いただけます。

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気になるモデルハウスがございましたら、ぜひご来場いただき素晴らしいしつらえの実物をご覧ください。

●プロフィール:山川直子さん
武蔵野美術大学短期大学部 空間演出デザイン科を卒業後、(株)東京ソワール、(株)バルスのVP(ビジュアル・プレゼンテーション)を経て、2000年10月より主にホームファニシングのVMDを軸にフリーランスで活動をスタート。さまざまなメーカーやショップなどのVMDに携わるだけでなく、VMDをベースとした店舗演出や雑貨&インテリアのスタイリング、デコレーターとしても活躍。2021年12月末にVMDを卒業し、鎌倉彫や截金を中心としたものづくりと一般の方のお部屋コーディネートの提案も手がける。

https://www.instagram.com/mimy_naoko/
https://www.instagram.com/monozukuri222/

●執筆・編集:石倉 夏枝(編集・ライター)さん

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