第14回

2018年最新
世田谷区の不動産市況

住まいを考えるとき、やはり不動産の市場動向は気になります。不動産の販売情報を見ても、その価格は把握できますが、不動産市況の具体的な動向はつかみ難いものです。では、不動産の専門家はどのように市場動向を把握しているのでしょうか。専門家が参考にしているのは、定期的に国や都道府県から公表される公示地価や基準地価などの情報です。今回は、2018年最新の公示地価の情報をもとに、世田谷区の不動産市況についてご紹介します。

ここがポイント
  • 2018年の公示地価は、住宅地平均が10年ぶりに上昇。商業地及び全用途平均は、3年連続で上昇。
  • 雇用・所得環境が改善する中で、利便性の高い地域を中心に住宅地の地価が回復。
  • 世田谷区の公示地価の平均坪単価は215.9万円で、前年比では+4.53%上昇。
  • 世田谷区の地価は、渋谷駅周辺の商圏の底堅い需要を背景に、同じく上昇傾向が続くと予想。

1.2018年の地価公示では、全国の住宅地の平均が10年ぶりに上昇した。

2018年の公示地価が3月27日に発表されました。公示地価とは、地価公示法に基づき全国約26,000地点を対象に、その地価を調査し国が公示するものです。その結果の概要は、次のようなものでした。

図表 ① :地価動向の概要

全国の公示地価に対する結果の背景として、1)雇用・所得環境が改善する中で、利便性の高い地域を中心に住宅地の地価が回復していること、2)外国人観光客の増加による店舗・ホテル需要の高まり等を背景に、商業地の地価が総じて堅調に推移していること、が挙げられています。

図表 ② :地価動向

出典:国土交通省

図表 ③ :公示地価の変動率の推移(全用途)

出典:国土交通省

2.世田谷区の公示地価の平均坪単価は215.9万円で、前年比では+4.53%上昇。

世田谷区に目を向けると、公示地価の平均坪単価は215.9万円で、前年比では+4.53%上昇していました。世田谷区の土地価格は、東京都の中で13位(57市区町村中)、日本全国の市区町村地価ランキングでは23位(1524市区町村中)という位置づけです。(地価公示価格集計委員会/地価公示価格チェッカーによる)

 また、世田谷区内で最も高額だったのは、北沢2-19-12で坪単価776.9万円でした。なお、区内の上位ベスト10は、以下の通りです。

図表 ④ :世田谷区内の公示地価ベスト10

出典:地価公示価格集計委員会/地価公示価格チェッカー/
>> tochi-value.com/tokyo/setagaya/

3.世田谷区の不動産市況は、身近な商圏の底堅い需要を背景に上昇傾向が続くと予想。

さて、今後の不動産市況はどのように推移するでしょうか。まず、不動産全体を大きく捉えると、今回の不動産の価格上昇の要因となった金融政策(いわゆるアベノミクスの量的緩和・質的緩和・金利政策)、特に金利政策は今後も継続されることが予想されます。こうした点から、不動産価格の上昇基調も継続が予想できます。したがって、2019年に向けて、今年と同じくらいの上昇が見込まれると予想する専門家も多いようです。

 では、世田谷区の今後の市場動向はどのように予測できるでしょうか。世田谷区は、二子玉川などブランドが確立されたエリアを中心に不動産価格が安定しています。これに加えて、オリンピックを目前に渋谷駅周辺の再開発が完成に向かい、渋谷駅の改良工事に伴い利便性が向上します。身近な商圏の底堅い需要を背景に、同じく上昇傾向が続くと予想されます。(図表5)

 しかし、不動産の価格を考えるうえで注意しなければならないのは、全ての住宅地が上昇に転じたわけではなく、「利便性」によってその価格は大きくかわるということです。例えば、駅からの距離の価格変動率を調査した最新データよると、概ね最寄り駅から20分を境に、それより近ければ上昇し、遠ければ下落傾向にあることがわかっています。

 不動産市況からエリア的に上昇基調であっても、不動産の価値は個別の要因が大きく影響するため、これから購入を検討している方や、世田谷区エリアに不動産をお持ちで有効活用を考えている方は、より詳しい市場調査などを住宅展示場にあるハウスメーカーに相談してみると良いでしょう。

図表 ⑤ :東京圏の沿線別駅周辺住宅地の公示価格例(抜粋)

出典:国土交通省(図の全体は http://www.mlit.go.jp/common/001226768.pdf を参照)

〔備考〕

  • 1 表示の価格は、表示の地域において駅からおおむね1km程度にある標準地の平成30年1月1日における1平方メートル当たりの価格(単位千円)を示す。
  • 2 〈○○km〉は、JR東京駅からの直線距離を示す。
  • 3 標準地は、必ずしも従前と同一地点ではない。

筆者:安食 正秀 (相続アドバイザー協議会R認定会員 上級アドバイザー)

1963年東京生まれ、立教大学経済学部卒。
2006年7月、株式会社アセット・アドバイザーを設立。財産を次世代に承継することを最優先に、顧客の不動産の全体像を把握し、様々な視点から不動産の相続対策の立案、問題解決および実務支援を行う。夕刊フジで「激変!相続税に備える」を連載。
2016年1月千葉テレビに出演。首都圏を中心にセミナーや執筆など人気講師として活躍中。

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