第15回

世田谷エリアの相続対策
マイホームを
相続する時の注意点

世田谷区のような資産価値の高いエリアにあるマイホームを相続する場合は、相続対策を十分に考えておかなければなりません。なぜなら、マイホームを相続する子どもと相続しない子どもに、大きな格差が生じて争族トラブルになるケースが多いからです。また格差を是正する代償金のために、土地を売却する場合にも制限がかかります。今回は、こうした世田谷で考えられる相続の注意点についてご紹介します。

ここがポイント
  • 相続税改正後、全国の課税割合は約2倍!東京国税局では約1.5倍に増加。
  • マイホームを相続する子どもと相続しない子どもに、大きな格差が生じて争族トラブルになりやすい。
  • 格差是正のためには、マイホームを相続する子どもが多額の代償金を支払わなければならない。
  • 2019年4月から世田谷区で「敷地面積の最低限度の制限」がスタート!

1.相続税改正後、全国の課税割合は約2倍!東京国税局では約1.5倍に増加!

2015年1月から相続税が改正され、相続税を負担する方が増えてきました。国税庁から発表された相続税に関するデータを見れば一目瞭然で、全国の課税割合は8.1%と改正前(4.1-4.4%)の約2倍です。東京国税局の課税割合は12.8%で、全国平均の約1.5倍です。
こうしたデータを見ると「わが家も相続税対策をしなければ…」と考える方も多いと思います。しかしながら、世田谷区のような資産価値の高いエリアにあるマイホームを相続する場合は、相続税対策よりも相続対策(特に分割対策)を十分に考えておかないと、思うように相続ができない可能性が高くなります。
なぜなら、子どもが2人以上いるケースでは、マイホームを相続する子どもと、マイホームを相続しない子どもとで、相続する財産に大きな格差が生じてしまい、争族トラブルになるケースが多いからです。特に、父親と母親のうちどちらかが既に死亡していて、残る親が死亡する相続のとき、いわゆる二次相続のときに、この問題が大きく表面化するのです。

図表 ① :相続税の課税割合(全国)

図表 ② :相続税の課税割合(東京国税局)

出典:相続税の概要/国税局・東京国税局
※ 東京国税局管内エリア(東京都、千葉県、神奈川県、山梨県)
※ 相続税の課税割合とは、亡くなられた方(被相続人数)の総数①に対して、このうち相続税の課税対象となった被相続人数②の比率(②÷①=課税割合)。

2.資産価値の高いエリアの相続は、なぜトラブルになりやすい?

例えば、母親が既に死亡していて、子どもが3人いる父親の財産がマイホームと預貯金であった事例で、そのマイホームの評価額が9,000万円、預貯金が6,000万円あったとします。マイホームを相続する子どもは9,000万円の財産を相続することができますが、マイホームを相続しない子どもは、親の預貯金を2分の1にした3,000万円ずつしか相続することができません。その格差は6,000万円もあります。マイホームを相続しない子ども達が、この格差を納得しなければどうなるでしょうか?
マイホームを相続した子どもは、ほかの子ども達に2,000万円ずつ計4,000万円の代償金を支払うことで、子ども達全員が5,000万円を相続したことになり格差が解消されます。ここでは簡単に書いていますが、そんな簡単に4,000万円もの多額の代償金を用意できるでしょうか?これが世田谷のような資産価値の高いエリアにあるマイホームを相続する場合の基本的な問題です。

図表 ③ :マイホームを相続する場合の基本的な問題

3. 2019年4月から世田谷区で「敷地面積の最低限度の制限」がスタート!

こうした多額の代償金を用意するために、マイホームの土地の一部を売却するケースがよくあります。しかし、注意すべき点のひとつに、2019年4月から世田谷区で新たにスタートする「敷地面積の最低限度の制限」があります。これは、「建物を建てようとする敷地(土地)は最低限度以上の面積でなければならない」というもので、この制度ができた背景には、小さな敷地が増加することによって、日照、通風、防災などにおける環境の悪化を防止することなどにあります。
この結果、マイホームの土地の一部を売却しようとする場合は、そのエリアの都市計画に定められた最低敷地面積の2倍以上の土地面積がなければ、その全部を売却しなければならない可能性がでてくるのです。なぜなら、最低敷地面積以下の土地には新たなマイホームを建築することができませんし、最低敷地面積以下の家を建てられない土地は、売却することがとても難しいからです。
資産価値の高いエリアにお住まいの方で、相続が発生しそうな方は早めに対策を考えおくことがとても重要です。もしもマイホームの一部を売却したり建築を考えている方は、住宅展示場の担当者に、相続対策と建築計画を合わせて相談されるとよいでしょう。

図表 ④ :世田谷区の対象区域における敷地面積の最低限度の制限の指定値

※建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積(平面積)の割合のこと
(出典:建築物の高さ及び敷地面積に関するルールの見直しについて/世田谷区都市計画課)

筆者:安食 正秀 (相続アドバイザー協議会R認定会員 上級アドバイザー)

1963年東京生まれ、立教大学経済学部卒。
2006年7月、株式会社アセット・アドバイザーを設立。財産を次世代に承継することを最優先に、顧客の不動産の全体像を把握し、様々な視点から不動産の相続対策の立案、問題解決および実務支援を行う。夕刊フジで「激変!相続税に備える」を連載。
2016年1月千葉テレビに出演。首都圏を中心にセミナーや執筆など人気講師として活躍中。

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