第6回

人口減少時代の住宅戦略

すでに人口減少が始まっている日本。東京23区でも2020年から人口が減り始めると予測されています。高齢化の進展とともに空室率も増え、世帯数も減少していきます。都心の住宅地の価格は、2016年までの10年間でみると、2010年を底に上昇を続けています。しかし、どんな土地も将来の価値が維持される訳ではなく、物件を見る目が重要です。通常、住宅は個人資産の大きな割合を占めるため、どのように選ぶかが重要になります。

ここがポイント
  • ライフプランを考えた不動産の利用価値と資産価値を考えることが必要
  • 不動産の価格にはサイクルがある
  • 人口動態も踏まえて不動産の立地を考える

1.人口減少と世帯数の変化

2016年4月現在1億2,692万人だった日本の人口は、2060年には8,674万人に減少する見込みです。人口が減るだけでなく、世帯の構成も変わっていきます(図1)。2010年に5,184万世帯だった世帯数は2035年には4,956万世帯となり、単身世帯は1,679万世帯(32.4%)から1,846万世帯(37.2%)に増加すると予測されています。なかでも、2010年には498万世帯だった単身世帯に占める65歳以上の高齢者も、2035年には762万世帯になると予測されています。家を買うときはライフプランを想定する必要がありますが、老後に一人暮らしとなることも視野に入れる必要があると言えるでしょう。そのためには、自分が望む豊かで快適な生活を手に入れるといった利用する上での価値に加え、不動産の資産価値にも注力する必要があります。資産価値が高ければ、老後に売却して住み替えるための資金にすることや、賃貸に出して暮らしを支えることも可能になります。

[図1 世帯数の変化]

出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計 平成25年1月」

2.不動産のサイクルを考える

人口減少、少子高齢化がすすむ日本では、国全体としては緩やかに不動産価格が下落していくというトレンドにあります。その一方で、不動産価格にはマーケットサイクルがあり、上昇と下落を繰り返しています(図2)。これは日本に限らず、世界中で長期に見られる現象なので、今後も同じように推移すると考えて良いでしょう。下落トレンドの中にあってもサイクルをとらえ、上手に不動産を取得・売却することで経済的な負担を減らすことも不可能ではありません。ただ、ライフサイクル上個人が住宅を購入する適齢期と、不動産のマーケットサイクルから見た購入に適した時期が必ずしも一致しないのが難しいところです。購入するタイミングも重要ですが、それに加えて優良な住環境や資産価値の維持向上を期待できる不動産を選ぶことも、購入に当たって考えたい重要なポイントです。

[図2 6大都市の住宅地の推移]

出所:(財)日本不動産研究所「六大都市市街地地価指数」より著者作成
※六大都市:東京区部、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸

3.立地を考える

住宅を購入するに当たり、最も重要なのが立地です。利便性や快適性などの居住環境や通勤環境だけでなく地盤や耐震性、周辺の治安など、買い換えない限り変えられない要素は資産価値となって地価に反映されます。立地の良さを判断するために、具体的にどうするか見ていきましょう。多くの人は住みたい地域がどこで、どこであれば立地の条件を満たしているか、イメージを思い浮かべることができると思います。予算の制限はあるものの、これからは人口動態も考えた上で将来的な住宅の利便性や資産価値を考えていくことが欠かせません。将来の暮らしやすさを予測するのは困難ですが、各自治体にある住民基本台帳からその地域の住宅地の人口の推移がわかります。たとえば駒沢大学駅のある駒沢1丁目を見てみると、住人はそのまま住み続けて年をとっていく一方で、30代の子育て世帯が新しく転入してきていることがわかります(図3)。人口が減っていく中では、このような過去の推移に加え、今後の街づくりや鉄道の延伸計画などを視野に入れて不動産探しをしてみることも必要があると言えるでしょう。

[図3 駒沢1丁目の年代別人口推移]

筆者:平澤 朋樹(ファイナンシャルプランナーCFP®

平澤FP事務所 代表 金融機関に所属しない独立系のファイナンシャルプランナー事務所を運営。子育て世帯向けの住宅資金計画や住宅ローン選びのほか、生活設計や資産形成を中心とした相談、セミナー、執筆等を行っている。金融・経済の知識や豊富な投資経験に基づく資産運用の相談も好評。
資格:ファイナンシャルプランナー(CFP®)、住宅ローンアドバイザー

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