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家づくりの基礎知識
第8回
注文住宅におすすめの工法とは?
種類ごとの特徴や選び方を解説
注文住宅を建てる際、間取りや設備、デザインなどに気を取られがちですが、どの工法で建てるかも非常に重要なポイントです。工法によって建物の耐震性や耐久性、防音性だけでなく、間取りやリフォームの際の自由度も大きく変わります。しかし注文住宅の工法は種類が多く、聞きなれない用語も出てくるため、どうやって決めたら良いかわからないという方も少なくありません。
そこで今回は、注文住宅で用いられる工法の種類と、それぞれの特徴について解説します。希望に合った工法を選ぶためのポイントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【1】注文住宅の工法の種類
注文住宅の工法にはさまざまな種類があり、求める住宅性能やつくりたい間取りなどにあわせて選択できます。ここでは代表的な工法である6種類に焦点を当て、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
[1-1]木造軸組工法
木造軸組工法は在来工法とも呼ばれており、現在も約8割の住宅で採用されている日本の伝統的な工法です。
柱や梁といった縦横の軸が建物の重さを支え、斜めに配置された筋交いが地震や風の力に対抗する構造になっています。筋交いが多く用いられているため、地震への耐性が高いという特徴を持ちます。
また、構造上の自由度が高いため、大きな窓や開口部を設けやすく、さまざまな間取りやデザインに対応できる点も魅力です。木の温もりを感じられる一方で、湿気や白アリ対策がマストである点には注意しましょう。
[1-2] 2×4、2×6工法
2×4および2×6工法は木材の枠に合板を貼り、箱型の構造をつくることで建物を支える工法です。2×4と2×6というのはアメリカから導入された木材の規格名称で、木材の小口は共通の2インチ(約38mm)、幅が4インチ(約89mm)または6インチ(約140mm)となっています。
この工法の特徴は、柱や梁の代わりに壁や床、天井で力を分散させることで、木造軸組工法よりも耐震性を高められるという点です。また、耐火性・気密性・断熱性に優れており、エネルギー効率の良い住宅をを建てられる点もメリットといえるでしょう。一方、面で支える構造のため、増改築の自由度は木造軸組工法に比べて低くなります。
[1-3]木質系プレハブ工法
木質系プレハブ工法は、工場で生産した木質系パネルで壁・床・天井を組み立てる工法です。木質系プレハブ工法の中でも特に多く用いられる「パネル方式」では、全てを面で接合する一体構造を採用しています。これにより地震や台風などの外力を建物全体に分散させられ、歪みが起きにくいというメリットがあります。
木質パネルは工場で生産されるため、品質が安定し、大工の技術に依存せずに高品質な住宅を建てることが可能です。また、パネルの内側に断熱材や下地材が内蔵されているため、優れた気密性・断熱性・遮音性を得られます。
修理や増改築が容易で、工期も短い点も魅力ですが、工場で生産されたパネルを使用するため、デザインや間取りの自由度は高くありません。
[1-4]ユニット系プレハブ工法
ユニット系プレハブ工法は工場で箱型のユニット(部屋)を製造し、建築現場で組み立てる工法です。
ユニットの外枠は鉄骨でできており、床・壁・天井・キッチン・トイレ・お風呂などの住宅設備や内部造作を工場で行います。現場での作業がほとんどないため、短い工期で家が建つ点が大きな特徴です。
ユニット系プレハブ工法のメリットは、ユニットを工場で組み立てることにより人件費などのコストを削減できる点が挙げられます。品質も安定しており、耐震性・耐火性・耐久性が高い点も魅力です。
一方、ユニットを運ぶための広い道路や、敷地内でクレーン車が動けるスペースが必要になる点はデメリットといえるでしょう。木質系プレハブ工法と同様、デザインや間取りの設計の自由度が低い傾向にあります。
[1-5]鉄骨系プレハブ工法
鉄骨系プレハブ工法は軽量鉄骨造とも呼ばれ、軽量鉄骨を骨組みとして使用して軸組構造と壁構造を併用する工法です。
鉄骨系プレハブ工法は工場であらかじめ溶接された鋼材を使用し、現場でボルト固定するだけのため、工期が短く済む点が大きな特徴です。鋼材はコストが安定しており、防錆塗装によってサビを防ぐこともできます。また、鉄は木材と比較して強度が高いため、大きな窓や広い空間をつくるのに適しており、耐震性にも優れています。
ただし工業製品であるため、設計デザインの自由度は低めです。また、熱伝導率が高いという鉄の特性から、室内の温度が外に逃げやすく、冬場に結露が発生しやすい点にも注意しましょう。
[1-6]コンクリート系プレハブ工法
コンクリート系プレハブ工法は、鉄筋入りコンクリートパネルを工場で製造し、建築現場で組み立てる工法です。
現場での鉄骨組み立てやコンクリート流し込みが不要なため、天候や作業員の技術に左右されず、品質の安定した住宅を建てられる特徴があります。耐震性・耐火性・耐久性・遮音性にも優れているうえ、法定耐用年数が長い点もメリットです。
一方、コンクリートの重量があるため、地盤が弱い敷地では地盤補強が必要になるでしょう。敷地の条件によっては、ほかの工法に変更する必要があります。
【2】工法の選び方
家を建てる際、選んだ工法によって家の性能や建築費は大きく左右されます。まずはどのような住まいをつくりたいのか、どの程度の予算をかけられるかをしっかりと考えることが大切です。家づくりにおいて重視するポイントを明確にすることで、自分に合った工法を選びやすくなります。
また、注文住宅の工法を決める際は、ハウスメーカーや工務店などの住宅会社に相談しましょう。専門家に相談することで、希望する注文住宅に適した工法を提案してもらえるだけでなく、それぞれのメリット・デメリットを理解することにもつながります。
住宅会社はそれぞれ得意とする工法が異なるので、最終的には希望する工法での施工実績が豊富な会社を選ぶことが望ましいです。
【3】建てたい家をイメージするには住宅展示場を活用しよう
注文住宅の工法にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。注文住宅を建てる際には理想とする住宅をイメージし、かけられる予算も決めたうえで住宅会社に相談するようにしましょう。
どんな家を建てたいかイメージを固めるには、住宅展示場でさまざまな工法で建てられた実際の家を見るのがおすすめです。駒沢公園ハウジングギャラリーでは、豊富な建築ノウハウを持つ個性豊かなハウスメーカーが多数出展しています。自分に合った工法を見つけるために、まずはお気軽にお立ち寄りください。
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