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家づくりの基礎知識

第11回
【注文住宅づくり】狭小住宅とは?
人気の理由や間取りアイデアを紹介

十分な土地を確保できない場合の選択肢の一つとして、「狭小住宅」があります。狭小住宅は、コンパクトな敷地に注文住宅を建てることの多い都心部などで選ばれることが多い傾向にあります。限られた敷地面積の中に生活に必要な機能を確保するだけでなく、床面積を最大限広くする工夫が必要です。

本記事では、狭小住宅を検討するうえで知っておきたいメリットやデメリットと併せて、コンパクトな敷地でも広々とした生活空間を実現するためのアイデアをご紹介します。十分な敷地面積を確保できないものの、理想の家づくりを叶えたいと考える方はぜひ参考にしてください。

INDEX

【1】狭小住宅の特徴

狭小住宅は、敷地面積の狭い土地に建てられた住宅のことを指します。具体的な面積の基準に決まりはありませんが、一般的には敷地面積が15〜20坪程度の土地に建てられた住宅のことを狭小住宅と呼びます。

狭小住宅では限られた敷地面積のなかで、生活に困らない程度の建物の広さを確保する必要があります。そのため、3階建てにするケースが多く、広い土地を購入することが難しい都心部で多く見られるタイプの住宅です。

【2】狭小住宅のメリット

狭小住宅を選択するメリットは、主に以下の4つです。
●トータルコストを抑えられる
●人気エリアや利便性の高いエリアに住める
●税金・維持費が安くなる
●動線の良い間取りをつくりやすい
それぞれ詳しく解説します。

[2-1]トータルコストを抑えられる

狭小住宅は広い敷地面積を必要としないため、土地代を安く抑えられます。住宅金融支援機構の調べによると、2022年に首都圏で土地付き注文住宅を建てた方が取得した敷地面積の平均値は約45坪です。同様の面積の土地を購入しようとした場合、駅近などの立地にこだわると価格が跳ね上がってしまい、手が出ないという方も多いでしょう。狭小住宅であれば、土地代だけでなく建築費用やイニシャルコストも抑えられます。

[2-2] 人気エリアや利便性の高いエリアに住める

狭小住宅は狭い敷地面積でも家を建てられるため、人気エリアや利便性の高いエリアに自宅を持てる可能性が高くなります。都心部などの利便性の高いエリアは土地代が高く、建築費を含まずとも予算オーバーになってしまうこともあるでしょう。狭小住宅の選択肢があることで、人気エリアに予算内で家を建てることも可能になります。

アクセスの良いエリアに家を持てば、毎日の通勤や通学に電車などの公共交通機関を利用しやすくなるため、通学・通勤時のストレスを減らすほか、維持費のかかる自家用車を持つ必要もなくなります。

[2-3]税金・維持費が安くなる

一般的な住宅と比較して、税金や維持費の負担が抑えられる点も狭小住宅の魅力です。建物や土地を所有する方には、毎年固定資産税や都市計画税といった税金が課されます。しかし、狭小住宅の土地はほとんどの場合で「小規模宅地等の特例」の適用対象となり、通常よりも税金の負担額が少なくなる可能性が高くなります。

さらに、土地や建物の面積が小さい分、光熱費やメンテナンス費用といったランニングコストも抑えることが可能です。

[2-4]動線の良い間取りをつくりやすい

狭小住宅はコンパクトなつくりをしているので、間取り次第で快適な動線をつくりやすい傾向にあります。生活スペースが広いと、移動距離が長くなり家事や生活をするうえで不便です。しかし、コンパクトな狭小住宅であれば、部屋と部屋の移動距離を短縮しやすく快適な家事・生活導線を確保しやすくなるでしょう。

また、デッドスペースとなりがちな場所を収納スペースとして利用するなど、限られた面積の中で工夫が生まれ、有効活用できます。

【3】狭小住宅のデメリット

多くのメリットがある一方で、狭小住宅には以下のようなデメリットもあります。
●建築コストが割高になる
●隣家との距離が近くなりやすい
●縦の移動が多く負担になりやすい
●採光、風通の確保が難しい
それぞれ詳しく見ていきましょう。

[3-1]建築コストが割高になる

狭小住宅は生活面積を最大限確保するために、3階建てなど縦に長い住宅になる傾向があります。3階建ては2階建ての住宅と比較して、建築費が1.2〜1.5倍ほどになるといわれ、建築コストが割高になりがちです。また、敷地面積が狭いと大型トラックでの資材搬入が難しく、資材を運ぶ回数が増えたり通常よりも工期や人件費がかかったりするため、建築コストに反映して費用が高くなります。

[3-2] 隣家との距離が近くなりやすい

敷地面積が狭い中で最大限の広さを確保した住宅を建てることが多いため、隣家との距離が近くなりやすいでしょう。距離が近くなることでお互いの生活音が気になったり、窓を明けたときに向かい合わせになったりする可能性があります。狭小住宅を建てる際は防音対策をしっかりすることや、プライバシーに配慮した窓の配置を意識することが求められます。

[3-3]縦の移動が多く負担になりやすい

狭小住宅で一般の住宅に近い延床面積を確保しようとすると、3階建てなどの縦に長い構造になることは避けられません。敷地面積に対して建てられる1フロアあたりの床面積は、地域ごとに建ぺい率が定められているため、制限があります。日常的に階段での移動が増えるため、家事などで足腰への負担を感じることもあるかもしれません。

[3-4]採光・通風の確保が難しい

先述のとおり狭小住宅は隣家との距離が近くなることもあるため、3階建ての1階や2階部分の日当たりや風通しが悪くなる可能性があります。人が多く集まるリビングや洗濯物を干すスペースなど、採光や風通しを最低限確保したい場所に関しては、特に間取りの工夫が必要です。

【4】狭小住宅で活かせる間取りアイデア

狭小住宅で快適な生活空間を実現するためには、一般的な広さを持つ住宅とは異なるポイントでの工夫が必要です。ここでご紹介する間取りを取り入れると、おしゃれさと快適さが共存する家づくりが可能になるでしょう。

[4-1]吹き抜け

吹き抜けは上下階の間に天井や床のない、つながった空間のことをいいます。リビングや階段の上部分を吹き抜けにすることで、多くの光を取り込み、開放的な空間を演出することが可能です。ただし吹き抜けをつくると、2階・3階部分の床がなくなるため、生活面積が狭くなってしまう点には注意しましょう。

[4-2]ロフト

ロフトは部屋の天井を高くし、一部を二層にしたスペースのことを指します。限られた面積の中に、居住スペースと収納場所をつくらなければならない狭小住宅においては、ロフトをつくってスペースをプラスすることは有効な手段といえます。ロフトをつくる際は、天井までの高さが1.4m以上あることが求められます。また、はしごを設置する必要があるため、生活導線の邪魔にならないように配置を工夫しましょう。

[4-3]スキップフロア

スキップフロアとは、1つの階層に高さが異なるフロアを設けた間取りのことです。中2階のようなイメージで、空間を有効活用しながら、立体的でおしゃれな住まいにできます。スキップフロアは一定の条件を満たしていれば延床面積に加算されないため、限られた土地に家を建てる狭小住宅にぴったりの間取りといえるでしょう。

ただし、壁や扉などの間仕切りがないため、空調効率が悪くなる傾向にあります。冷暖房機の設置費用や光熱費が高くなる可能性があるため、注意が必要です。

[4-4]中庭

建物で囲むようにしてつくる中庭も、採光や風通しを確保しづらい狭小住宅におすすめの間取りの一つです。中庭は吹き抜けとの相性が良く、上部に天窓を設けることで、光や風を取り込んで開放的な室内をつくることができます。

ただし中庭をつくる場合、建物の凹凸や壁の面積が増えることで、建築コストがさらにアップする傾向にあります。排水設備や外構整備のための工事費用もかかるため、予算オーバーにならないように注意しましょう。

【5】狭小住宅で理想の環境での暮らしを実現しよう

限られた土地に家を建てる狭小住宅では、建築コストや生活動線、採光・通風といったさまざまな要素を考慮する必要があります。そのため、狭小住宅で理想の暮らしを手に入れるためには、都心での家づくりに精通したハウスメーカーに依頼することが重要です。

駒沢公園ハウジングギャラリーには、都心にマイホームを建てたいと願う方の要望に応えるハウスメーカーが多数出展しています。狭小住宅での快適な暮らしを実現するための、さまざまなアイデアに出会えるチャンスが満載です。ぜひお気軽にご来場ください。

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