第12回
制度と保証保険 住まいの知識
賢いローンの組み方や資金返済について、押えておくべき情報をピックアップしてご紹介
住宅性能表示制度とは
住宅性能表示制度は、住宅の性能を第三者機関が、統一基準に基づいて決められた方法で評価し、表示していくというものです。表示の対象となっている性能は10分野あり、建物の強さから住み心地に関するものまで広範囲にわたります。性能の評価は、国が指定した評価機関が統一基準に基づいて住宅1棟1棟行い、その結果を各性能ごとに「等級」で表示します。つまり、どの企業の住宅の性能も同じ基準で比較できるのです。欠陥の発生率が低くなり、設計段階で評価を受けることによって、施主は、その住宅の性能がどのランクにあるかをあらかじめ知ることができます。 なお、この制度はすべての住宅に義務づけられたものではありません。評価を受けるには、申請することと評価機関への費用が別途必要です。
日本住宅性能表示基準の概要
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構造の安定(丈夫な家)
地震や風などで力が加わった時の建物の強さ(壊れにくさ)
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火災時の安全(燃えにくい家)
火災が発生した場合の避難のしやすさや建物の燃えにくさなど
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劣化の軽減(長持ちする家)
建物の劣化(木材の腐食、鉄のサビなど)のしにくさ
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維持管理への配慮
(メンテナンスしやすい家)水道やガスの配管などの維持管理(点検・清掃・修繕)のしやすさ
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温熱環境(冬暖かく、夏涼しい家)
断熱性・機密性等省エネルギー
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空気環境(きれいな空気)
ホルムアルデヒド対策や換気
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光・視環境(明るい家)
採光(開口部)による明るさ
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音環境(静かな家)
騒音の遮断など
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高齢者等への配慮
(高齢者に優しい家)高齢者に配慮した移動のしやすさや転落、転倒などの事故防止
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防犯対策(安全な家)
どのくらい開口部に防犯建物部品を使用しているか(浸入防止)
利用のポイント:居住者に適した性能を確保することが一番大切です。
表示方法の多くの場合は、等級や数値で表現され、等級は、数字が大きいほど性能が高いことを示していますが、表示項目ごとに意味するところは異なってきます。また、表示基準の対象となっていない性能(居住者のライフスタイル、工事費、地域の気候、風土、デザインや使い勝手など)も考慮して、最も居住者に適した性能の組み合わせを選択することが大切です。
瑕疵保証制度
住宅建築の元請け業者の担保責任として、住宅の主要構造部および雨漏りによる瑕疵(欠陥)について、竣工から10年間は無償で補修・修理することが平成12年4月より義務づけられました。この制度の各業者向け対策として「瑕疵保証保険」があります。補修が発生した場合に莫大なコストを負うことになった場合も、この保険に加入していることで業者側は保険金によって責任をもって補修工事ができます。
住宅完成保証制度
住宅完成保証制度は、住宅の建築途中に業者が倒産した場合、保険で住宅を完成させるという制度です。この保険は団体保険で、各業者はどこかの団体に加盟している必要があります。加入には一定の審査が行われ、つまり、保険が付いているということは一定の経営条件をクリアしているという目安にもなるわけです。なお、瑕疵保証保険同様、業者の加入だけでなく物件ごとに保険料を払って加入しないと保証は受けられません。
長期優良住宅制度
「日本の家が一般に寿命が短いといわれているのを改め、しっかりとした住宅を建設し、長く使えるものにしよう」という制度。建物の耐久性、耐震性、可変性、維持保全の容易性などについて一定の基準を満たしたものが、長期優良住宅として認定されます。性能が優れている分、建築費は高くなりますが、住宅ローン控除などさまざまな優遇措置があります。
BL制度
品質、性能、アフターサービスが優良とされている部品について、財団法人ベターリビングが発行するBLマークをつける制度。認定された部品は、事故などの問題が生じた時に備えて、瑕疵担保と損害賠償の両面からBL保険がついています。施工瑕疵に対する賠償についてもこの保険で保証されます。