ワンランクアップの『暮らしを楽しむ』2つのマイルール

穴澤賢さんが犬と暮らすうえで決めていること
「犬を中心に考える」「無理はしない」

第一回では、穴澤賢さんが都内から鎌倉市に引っ越して、八ヶ岳にセカンドハウスを持つまでのいきさつをうかがいました。
今回は、セカンドハウスのこだわった点と犬と暮らす上で決めていることを覗いてみました。

写真提供:穴澤賢さん
INDEX

【1】滑りにくい床材と傾斜の緩やかな階段

写真提供:穴澤賢さん

八ヶ岳のセカンドハウスでこだわったポイントの一つは床材。一般的なフローリングはツルツルしていて掃除がラクな反面、犬の足が滑りやすいという点があります。大吉(10才)と福助(8才)はまだ平気ですが、この先年齢を重ねていくと次第に踏ん張る力が弱くなります。

そうなったときのことを考えて、床は楢の無垢材にしました。これならグリップが効くので足腰が弱くなっても滑りづらいはずだと。ただ、難点も。加工されていない無垢材のままだと水が染み込むし、汚れやすい。そこで、オイルステインの一種で浸透性木材保護塗料の「いろは」を買ってきて妻と二人で塗りました。

写真提供:穴澤賢さん

さらに同じ理由で、階段も無垢材にして、傾斜もなるべく緩やかになるようL字にしてもらいました。L字になった部分の下は、大吉と福助のベッドが置いてあり、そこでくつろげるスペースになっています。犬は穴蔵的なところを好む習性があるらしいのでそうしてみたところ、彼らも気に入っているようです。

【2】プライベートドッグランを

「丸山の森別荘地」の一区画は300坪。「そんなに広いの?」と思うかもしれませんが、山の別荘地の一区画はだいたいそんなものです。ただ、敷地内に建築可能な建物の建蔽率は決まっているし、隣と隣接しないためのようなもの。だから敷地のほとんどは雑草が生え放題になるのですが、それではもったいない。

ということで、草刈り機を買ってきて自分でこつこつ草刈りして、アニマルフェンスという、本来は鹿などが入ってこないための柵を立ててドッグランを作ってみました。さらに大吉と福助の足が泥だらけにならないよう、林業の業者さんからウッドチップを安く譲ってもらい全面に敷き詰めたりして。

写真提供:穴澤賢さん

こう書くと簡単そうに思うかもしれませんが、この辺りに生えているクマザサは地中深くに根を張り巡らせているので、草刈りしただけでは駄目。スコップで掘り起こして根ごと抜かなくてはいけません。それがまた大変で、さらに道路に積まれたウッドチップをせっせと上に運ぶのは重労働でした。

写真提供:穴澤賢さん

まさか45才をすぎて草刈り機デビューするとは思わなかったし、クマザサは壊滅できていない上、タンポポもどんどん生えてくるので、毎年春から夏にかけては雑草と格闘を続けています。

そんな苦労はつゆ知らず、大吉と福助は山の家に行くと大喜びでドッグランを走り回っていますけど。「プライベートドッグランを持ってるなんて、お前らめっちゃ贅沢なんだぞ」と言っても本人たちは全然分かっていないようで。ま、それでいいんですが(笑)。

【3】自分が楽しむ部屋も

写真提供:穴澤賢さん

セカンドハウスを手に入れたのも、苦労してドッグランを作ったのも、雑草と格闘しているのも、完全に大吉と福助のためです。彼らがいなければ、こんなことは絶対にしていなかったはずだと思うのですが、今では八ヶ岳に行くのが私も楽しみになっています。

写真提供:穴澤賢さん

そして最近、私の仕事部屋も増築しました。八ヶ岳に滞在している時間をもう少し長くしたいけど、仕事ができないと困る。そのために作ったのですが、ドラムセットやギターアンプを置いて、ほとんど趣味部屋のようになってしまいました(笑)。これは大吉と福助のことを考えたときの副産物ということで。

というように、私は常に犬のことを中心に考えています。それは意識してではなく、富士丸と暮らしたころから、いつの間にかそうなってしまったようで。フリーライターになったのも、そうすれば家で仕事ができて犬の留守番の時間が少なくなるからだったし。逆にいえば、彼らがいるから頑張れるようなもので、一人だったら絶対草刈りなんてしないと思います。

もう一つ決めているのは、無理はしないこと。若いころは徹夜で仕事をしたこともあるけど、そうすると翌朝寝坊して散歩が遅くなるし、集中力が切れた状態でやった仕事はだいたい後でやり直すことになる。そのことを学んだので、もう無理はしない。散歩のために朝はちゃんと起きて、夜は早めに眠る。犬を中心に考えていると、こういう生き方になってしまいました。それはそれでよかったなと思っています。

今や、犬や猫は家族といっても過言ではありません。だからこそ、穴澤さんは無理することなく、大好きな犬との暮らしを手にしました。家づくりのきっかけは人それぞれですが、そのこだわりに合わせた暮らし方を皆さんも探してみてはいかがでしょうか。

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●プロフィール:穴澤 賢(あなざわまさる)さん
1971年大阪生まれ。「またね、富士丸。(小学館文庫)」、「また、犬と暮らして」、「犬の笑顔がみたいから(共に世界文化社)」など犬関連の書籍を多数出版。音楽の連載やコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック「Another Side Of Music(ワーナーミュージック・ジャパン)」を出版。
2015年には自らが欲しいと思ったペットグッズを作るブランド『DeLoreans』を立ち上げる。

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●執筆・編集:石倉 夏枝(編集・ライター)さん

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